少しずつ秋の気配を感じる9月10日(木)、大崎町の宮園公民館にて『竹炭づくり安全講習会』が開催されました。「ひふみよベースファーム大崎」では毎年、地域でお世話になっている宮園集落の竹林整備に参加しています。今回は作業の安全と技術向上を目指し、メンバーさん9名とスタッフ2名の計11名で講習会へ参加してきました。
「無煙炭化器」の概要とメカニズム
今回の講習の主役は「無煙炭化器」です。フタのない開放型の構造でありながら、対流と熱気流の力を利用し、煙を出さずに短時間で炭を作ることができる画期的なアイテムです。

無煙炭化器
主な用途と材料:剪定枝や竹、もみ殻、落ち葉などの植物性有機物なら幅広く使用可能。農作業の残渣処理や、放置竹林の整備に絶大な効果を発揮します。
無煙化の仕組み:器の形状により内部が強い上昇気流で「低酸素状態」となり、材料が灰になるのを防ぎます。さらに上部にできる約1,000℃の「熱い空気の壁(二次燃焼層)」によって煙が完全燃焼するため、周囲に煙をまき散らさずに作業が行えます。

炭化メカニズムと無煙化メカニズム
安全な使い方と必須のメンテナンス
作業時は800〜1000℃という高温を扱うため、厳重な安全管理が欠かせません。
リスク管理と届出 強風時や各種火災警報の発令時は絶対に使用を中止します。また、誤出動を防ぐため事前に消防署へ「火災とまぎらわしい煙又は火炎を発する行為の届出書」を提出することが必須です。
作業時の服装・道具 化繊の服は溶けて火傷の原因となるため、綿100%または防炎加工の長袖・長ズボンを着用します。軍手ではなく革手袋を装着し、消火用のバケツやホースも必ず常備します。
設置から消火まで 周り3m以内に燃えやすいものがない平坦な土の上に設置し、少しずつ材料を追加。作業完了後は、大量の水で芯まで完全に消火します。水蒸気爆発を防ぐため、慎重な取り扱いが必要です。

設置〜消化、一連のプロセス
地球を救う「バイオ炭」の可能性
生物由来の有機物を炭化させた「バイオ炭」は、単なる燃料にとどまらない多様な可能性を秘めています。土壌改良:多孔質(ミクロの穴)構造が保水性・通気性を高め、有用な土壌微生物の住処になります。
消臭・コンポスト:堆肥に混ぜることで微生物を活性化させ、アンモニア臭などを強力に吸着します。
畜産・その他:エサに少量混ぜて腸内環境を整えたり、水質浄化や融雪材としても応用されています。
CO₂を地球に閉じ込める「炭素固定」
植物は光合成によってCO₂を取り込みます。通常は枯れたり燃えたりすると大気中にCO₂が戻りますが、炭化させることで炭素を何百年も安定した形で固定できます。バイオ炭を土に埋めることは、まさに「大気中のCO₂の缶詰」を地球に還元する環境保全(カーボンマイナス)活動そのものです。
全国的にも、剪定枝や竹から作ったバイオ炭を農地に撒いてJ-クレジット認証を受けたり、ブランド農産物の土壌づくりに活用したりする事例が急速に広がっています。
講習を終えて

積極的に質問されたメンバーさん
講義の終わりには質疑応答の時間が設けられ、メンバーさんが積極的に挙手をして質問する場面も見られました。
専門的で少し難しい座学となりましたが、毎年参加している竹林整備の裏側にある知識や技術を学ぶ、非常に有意義な時間となりました。講習後には無事に修了証もいただき、みんな充実した表情を浮かべていました。

修了証!!
これからも「ひふみよベースファーム大崎」は、地域の環境保全や豊かな土壌づくりに貢献してまいります!
今回講習に参加されたメンバーさんも、実は最初から活動に参加できていたわけではありません。コツコツと積み重ねてきたからこそ、今の地域の方々とのあたたかい交流につながっています。「私にも何かできることはあるかな?」と思われた方は、お気軽にお問い合わせください。



