ひふみよブリューイングが目指す「ソーシャルファーム」としてのクラフトビール造り

鹿児島市新屋敷町にある「ひふみよブリューイング」は、障がいや生きづらさを抱える方々が自分らしく活躍できる場、「ソーシャルファーム」の実現を目指し、クラフトビール醸造事業に取り組んでいます。代表の白澤が、「就労継続支援だけでは解決できない社会課題」を何とかしたいという思いの中、2020年に鹿児島大学で開催されたソーシャルファームサミットのプロジェクトメンバーとして活動する機会を得たことが、この挑戦の原点です。当時、就労継続支援B型事業で取り組んでいたスパイスカレーレストランの経験から、工程が多く複雑なクラフトビール造りへと展開するヒントを得ました。

突然の「クラフトビールを作る」宣言

スパイスカレー事業が軌道に乗ったある日、白澤が突然「クラフトビールを作る」と宣言。スタッフは実現不可能と感じたものの、白澤は止まりません。業務の合間を見て、醸造所の構築や酒造の修行に取り組み、2022年2月21日に酒造免許の取得を実現してしまいます。ここからプロジェクトは本格始動しました。2025年3月21日には3周年を迎え、鹿児島に根ざしたソーシャルファームを実現するため、日々新たな挑戦を続けています。

ソーシャルファームとは

ソーシャルファームは、自律的な経営を行いながら、障がいやその他の理由で働くことが難しい方々が、必要なサポートを受けながら他の従業員と共に働く社会的企業です。ヨーロッパで数多くの実例があるこの仕組みは、「ひふみよブリューイング」にとっても大きなインスピレーションとなっています。

様々な仕事がソーシャルファーム実現につながる。

誰もが働ける場所へ

「ひふみよブリューイング」では、就労を目指す方々が実際の職場環境に近い体験を得られるよう、醸造所での衛生管理や実際の醸造作業の補助など、リアリティある課外活動を提供しています。また、クラフトビール造りを通じて「何が必要で、どのようなサポートがあると良いのか」を多角的に検証し、未来に向けた準備を着実に進めています。

ボトリングなど本格的な体験も可能

得意を活かす働き方へ

クラフトビール製造は、多くの工程を伴い、それぞれの段階で正確さ、集中力、創造性、デジタルスキルなど、様々な能力が求められます。白澤がクラフトビール造りを選んだのは、この多様なチャレンジこそが、各人の得意分野を活かし、役割として昇華できる場を提供できると考えたからです。何度も挑戦を重ねる中で、自分自身が主役となれる仕事に出会える未来を目指しています。

タップルームの壁面にイラストを描く

社会とのつながりを実感

障がいや生きづらさを抱える方々が携わる事業だからこそ、彼らが「自分は社会とつながっている」と実感できることが大切です。クラフトビールは文化的な側面も持ち、プロダクトを通じたコミュニケーションが生まれやすいという特性があります。そのため、私たちが手がけたクラフトビールが社会に響く瞬間は、関わる全ての人々の自己肯定感を高め、社会とのつながりを実感するきっかけとなるのです。

地域と共に歩む未来

「ひふみよブリューイング」が目指すのは、単なるクラフトビール醸造所に留まらず、地域に根ざしたソーシャルファームです。働く人々と地域が一体となり、誰もが自分らしく活躍できる環境を創出する。その未来に向けて、これからも挑戦と改善を続けていきます。

毎週土曜日は多くの地域の方々が訪れる

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