「好き」がかたちになる、ジェネラティブな図形の世界

夏休みもそろそろ終わり、いよいよ9月。少しずつ朝晩の風に秋の気配が感じられるようになってきました。夏の疲れが残る時期ではありますが、季節の変わり目は、新しい一歩を踏み出したくなるような、そんなタイミングでもあります。

今回は、「ひふみよベース天文館」で在宅就労を中心に活動しているメンバーさんの取り組みをご紹介します。

好きなものや得意を活かしながら、自分のペースで日々の作業に取り組まれている様子は、「働くこと」や「社会とのつながり」に不安を感じている方にとっても、きっと参考になるはずです。

安心できる環境で見えてきた、新しいしごとの形

今回は、在宅でのB型就労をスタートしたメンバーさんの取り組みのご様子です。必要なときには自分のペースで休憩を挟みながら、様々なことに取り組まれています。

プログラミングとの出会い

ご自身のペースでプログラミングを使った図形アート(いわゆるジェネラティブアート)にも取り組まれており、専用アプリを使って図形を描く方法を模索しながら、日々作品の幅を広げています。

フラクタル図形のギャスケット2種

もともと、ご本人は独学でプログラミング描画の技術を深めており、規則的な構造や数学的な図形に関心を持たれていました。

専用アプリでの作業風景

中でも印象的なのが「マンデルブロ集合」や「五角形をベースにした幾何学模様」など、数学的な知識を活かしたアート作品。虹色のグラデーションや、どこを拡大しても美しいフラクタル模様など、奥深い世界観が画面に広がります。当初はモノトーンの作品が多かったのですが、最近では色彩豊かな作品が増えてきました。

美しい形と色の世界

同じ形でも、中の模様や色によって全く異なる印象を受けます。スタッフの間でも、その緻密なデザインに感動の声があがっています!

「社会とつながる」実感に

取り組みが始まってしばらく経ったある日、スタッフとの会話の中で、「図形以外のモチーフでも描けますか?」というやり取りがあり、果物や野菜などのテーマを提示してみたところ、「できると思います」と返答をいただきました。

そこから、これまで図形が中心だった作品に加えて、初めて“モチーフあり”のデザインにもチャレンジ。自然な流れの中で、クラフトビールのラベルアート制作にも取り組んでいただくことになりました。

これまでも集中して制作されていましたが、今回あらためて取り組んでみると、以前よりも一層、表現の幅やこだわりが深まっていて、その進化にスタッフも驚かされました。

そしてこの夏、ひとつの大きな出来事がありました。

メンバーさんが手がけたプログラミングアートのひとつが、鹿児島県・吹上町産の白桃を使った季節限定醸造のクラフトビール「Fukiage Sunset Peach」のラベルに採用されることになりました。

白桃をモチーフにプログラミングアート

もともと正方形のフォーマットで制作されていた作品でしたが、ラベル用の横長比率をお伝えしたところ、バランスを考慮しながらスムーズに横長の画像へと調整してくださいました。

クラフトビール「Fukiage Sunset Peach」

ビールとしての発売に先立ち、事業所内でも完成したラベルをお披露目したところ、スタッフからも感嘆の声があがり、ご本人も「ありがとうございます。うれしいです」とにこやかな表情でお伝え頂きました。「自分の好き」が形になった今回の経験は、ご本人にとっても、心に残るひとつの出来事になっているといいなと、そんなふうに感じられる瞬間でした。

「好き」や「得意」から始める、わたしの働き方

ひふみよベースでは、「できることから」「自分のペースで」「好きなことを活かして」という考えを大切にしています。今回ご紹介したメンバーさんのように、一緒に工夫しながら可能性を探していきます。好きなことや、これまでの得意が、新しい可能性につながることがあるかもしれません。

そんな「きっかけ」を、ひとつずつ一緒に見つけていけたらと思います。

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